自分はまちがいなく幅広、と思って
幅広の靴ばかり買っていた
学生の頃、わたしの足は、指先が広がっているアヒルの足のような形をしてた。
つま先が細くてヒールのある靴を履くと必ず、指先がきつくて痛くなっていた。
ヒールのあるパンプスを買おうとする時、ぴったり合う、と思えるものに出会えたことも、なかった。
指先がキツイので一つ上のサイズにすると、今度はかかとがカパカパ。でも最初のサイズだと間違いなく指先が痛くなる。
しかも、なぜかたいてい、かかとはゆるゆる。なので、駅の階段を降りたり、ちょっと走ったりするとすぐに靴が脱げそうになるし、実際によく脱げた。不恰好なシンデレラだった。
そんなわけで、自分の足は幅広なんだ、つま先の幅が広い靴しか履けないんだ、しかも、よく脱げるからストラップや紐のついていないパンプスも履けないんだ、と、思い込んでいた。
靴幅はE、EE、EEEだけじゃない??
目からウロコの情報との出会い
そんな時、とある通販カタログのページに目が止まった。ベルメゾンのベネビス、という靴のカタログだった。
そこには、こんな風なことが書かれていた。
- 靴には、長さの他に『幅』があるのを知っていますか?
- もしあなたが、どんな靴を履いても「足にぴったり合う」と思ったことがないなら、靴の幅があっていないのかも?
- そんなあなたのために、ベネビスでは、幅の種類を増やしました!まずはあなたの足のサイズを測ってみてね。
ということで、靴のサイズ表が載っていた。ワイズDから載っている、こんなような表だった。
- | 足囲 | ||||
---|---|---|---|---|---|
足長 | D | E | EE | EEE | EEEE |
19.5 | 201 | 207 | 213 | 219 | 225 |
20 | 204 | 210 | 216 | 222 | 228 |
20.5 | 207 | 213 | 219 | 225 | 231 |
21 | 210 | 216 | 222 | 228 | 234 |
21.5 | 213 | 219 | 225 | 231 | 237 |
22 | 216 | 222 | 228 | 234 | 240 |
22.5 | 219 | 225 | 231 | 237 | 243 |
23 | 222 | 228 | 234 | 240 | 246 |
23.5 | 225 | 231 | 238 | 243 | 249 |
24 | 228 | 234 | 240 | 246 | 252 |
24.5 | 231 | 237 | 243 | 249 | 255 |
25 | 234 | 240 | 246 | 252 | 258 |
25.5 | 237 | 243 | 249 | 255 | 261 |
26 | 240 | 246 | 252 | 258 | 264 |
26.5 | 243 | 249 | 255 | 261 | 267 |
27 | 246 | 252 | 258 | 264 | 270 |
それまで、靴幅というのはE、EE、EEE、EEEEしか知らなかったので、Eの下にD、というサイズがあることを知って、軽いカルチャーショックだった。
でも、驚きはそれだけじゃなかった!
早速メジャーで自分の足を測ってみた私が、表で数字を探したら……ないのだ。わたしの足囲に当てはまるサイズが。
わたしの足囲は、表のどのサイズよりも明らかに小さな数字だったので、軽くパニックになった。
どういうこと……?
そこから、ネットで情報を探す旅が始まり、
- 靴の幅は、実はAからあること(Aよりさらに細いAA、AAA、AAAAというのすらあること)
- 幅狭の靴をオーダーできるお店が、数は少ないものの存在していること
- 足幅に合わない(幅広すぎる)靴を履いていると、指の付け根にある靭帯が伸びたりゆるくなったりして、横アーチが広がって「開張足」になってしまうこと(それで、一見幅が広く見える場合があること←私はまさにこれだった!)
- 横アーチが広がったまま幅の合わない靴を履き続けると将来的に外反母趾や内反小趾になりやすいこと
こんなことを知った。幅が広すぎても外反母趾になっちゃうの?それはまずい………。
そこから、わたしの幅狭靴ショップ探訪の歴史がスタートするのだが、紆余曲折を経て、生まれて初めて5cmヒールの、ストラップも紐も付いていないパンプスを履いて歩けたときの感動といったら!
今までどんな靴を履いてもぴったりフィットする感じがなかったのは、幅があってなかったからなんだ。ということが、足幅がぴったりフィットする靴を履いて心の底から理解できた。
ということで、あなたがもし、パンプスなんて、足が痛くなってとても履けないわ…かかともパカパカ脱げてばっかりだし…と思っているなら、ぜひ、足幅を測ることをおすすめします。
もし、プロにちゃんとみてもらいたい!と思われるなら、新宿にある「シューフィット神戸屋」さんがおすすめです。幅狭足についてもとても詳しく、複数の幅狭靴ブランドのサンプルを試着することもできるので、あれこれのお店をめぐるよりも、効率的に自分の足に合う靴を見つけることができます。(神戸屋さんはシューフィットに特化したお店なので、ここで靴を買うことはできません。靴を売りつけられることもありませんので、その点も安心です。)
その神戸屋のオーナー、西村さんは、最近本も何冊か出されています。
「あなたにぴったりな靴の見つけ方」という副題の「その靴痛くないですか?」という本は、足にぴったり合う靴を選ぶ際のポイントが写真やイラスト入りで詳しく解説されています。ぴったり合う靴が見つからなかった場合の、市販のインソールを使った手持ちの靴の調整の仕方、なども図解付きで載っているので、まずはそちらを読んでみるのもいいかも。
<追記>文庫版も発売されたみたいなので、ご紹介。
最後に、プチ宣伝です。
自分が幅狭足だと気づいた私は、その後mixiの幅狭足コミュで幅狭靴ブランドをされている方と出会い、オンラインショップを作るお手伝いをすることになりました。
わたし自身が、自分の履ける、自分好みのデザインの靴を買えるお店を、少しでも増やしたかったからです。
そのショップが、幅狭靴のChochotteです。
デザイナー菊池さん個人が運営している小さなショップで、受注生産なので、お届けするまでに2ヶ月ほどかかってしまいますが、ぴったりフィットする可愛いパンプスが履けたときの感動といったら、もう本当に…涙が出そうといっても大げさじゃありませんでした。
そのChochotteですが、残念ながら実店舗はありません。オンラインだけで買うのは不安、試し履きしてから買いたいという方は、先ほど紹介した「シューフィット神戸屋」さんの他、サンプルを常設いただいているシューフィットサロンが幾つかあります。よかったらそちらもご検討くださいね。